はじめに
上の写真はインドネシアの「チョベッ」とよばれる平たい石臼を使い「ブンブ」を作っているところです。「ブンブ」とはインドネシア語で「調味料」をあらわす言葉でハーブとスパイスのペーストです。インドネシア料理の味と香りの土台になります。料理によって入る材料が異なります。写真はニンニクやバワンメラと呼ばれる生のシャロットをすりつぶしているところ。これらの香味野菜に塩と唐辛子が入り、チョベッ(石臼)で約10分くらいかけてゆっくりとペースト状にします。このペーストは油と一緒にゆっくりとフライパンなどで香りが出るまで炒めます。

この「ブンブ」ですが野菜やココナッツと一緒に煮込んだり、鶏肉を「ブンブ」でマリネしてから揚げたりと様々な場面で登場します。

そしてもうひとつインドネシア料理で大切なのは「サンバル」です。「サンバル」は唐辛子ソースです。料理にコクや辛味を与える調味料でインドネシアの食卓には欠かせません。「サンバル」は調味料として使うのではなく、出来上がったお料理に添えて食べます。 とはいえサンバルゴレン(サンバル炒め)という料理もあって、 「サンバル」を調味料として調理に使うこともあるので、 少々ややこしいのですが。

大まかに言うと、「ブンブ」は香り付けのために料理中に加えるもの、 「サンバル」は出来上がった料理に辛さを加えるためのもの。
例えるなら、ブンブはタイのカレーペーストや日本の味噌のようなもので、 サンバルはチュニジアやモロッコのハリッサや日本の柚子胡椒やワサビのようなものです。

<写真下:サンバル(唐辛子ソース)をつくっているところ>



レシピ集

中部ジャワの料理
■Sosis solo(ソシス ソロ/ソロ風ソーセージ)

■Sayur godog(サユール ゴドッ/野菜の煮込み)
■Pepes teri(ペペス トゥリ/しらすのバナナの葉包み蒸し)
■Bubur sumsum(ブブール スムスム/米粉とやし砂糖のお汁粉)
■Sate ayam madura(サテ アヤム マドゥラ/マドゥラ風焼き鳥)
■Acar kuning(アチャール クニン/黄色いピクルス)
■Nasi goreng sosis udang(ナシゴレン ソシス ウダン/ソーセージとエビのナシゴレ)
■Karedok(カレドッ/生野菜とピーナッツソースのサラダ)
■Soto betawi (ソト べタウィ/ベタウィ風スープ)
■Ati ayam goreng (アティ アヤム ゴレン/鶏レバーの炒めもの)
■Sate lilit ayam (サテ リリ アヤム/インドネシア風鶏つくね焼き)
■Jukut sayur (ジュクッ サユール/ココナッツミルク風味の野菜の炒め煮)
■Telor balado(テロール バラド/たまごのチリソース和え)
■Wajik(ワジッ/ココナッツミルク餅)
■Dadar gulung(ダダール グルン/グリーンクレープロール)
■Jaja laklak(ジャジャ ラクラク/米粉で作るパンケーキ ヤシ砂糖ソース)
■Bir pletok(ビル プレトク/ジャカルタ風ジンジャードリンク)
■アリーさんのタマリンドジュースレシピ
作者Ary Dreanについて

インドネシアの首都ジャカルタで生まれジャカルタで育ちました。その後結婚と共にフランスに渡り現在はパリ在住です。

インドネシアの食習慣について

インドネシアは人口の9割近くがイスラム教徒です。そのため食事の際にはイスラム教の教えに従って左手を使わないのが一般的です。バリ島に多いヒンズー教徒の習慣も同様です。パンを千切ったり骨付きの鶏肉などを食べる時に左手を添えることはありますが、左手で食べ物を口に運ぶことはありません。インドネシアで使うカトラリーの基本はスプーンで、テーブルセッティングでは皿の右側にスプーン、左側にフォークを置き、料理は右手に持ったスプーンで食べます。フォークは肉や魚の身をほぐすときに押さえるだけ。ステーキの場合には、右手にナイフを持って肉を切ったあとに、フォークを左手から右手に持ち替えて食べます。また、食事以外にも、人に物を渡す時、お金を支払う時、バイバイと手を振る時にも、左手は使いません。

インドネシアは1万8,110もの大小の島からなり、そこには約300の民族が暮らしています。それだけに生活習慣や文化も様々。料理も地方ごとに特色があります。日本の方にも馴染みのあるナシゴレンやアヤムゴレンではなく、多彩な料理がたくさんあります。またインドネシア料理は日本人になじみのない多くのスパイスやハーブを使い複雑な香りと旨味を生み出します。 スパイスやハーブなくして、インドネシア料理を語ることは出来ません。

インドネシア料理は大きく分けて3つ。スマトラ島のパダン料理、ジャワ島のシャワ料理、そしてバリ料理です。


インドネシアの食材について


◇ケチャップマニス <KECAP MANIS> 価格300円前後 

入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html
インドネシアの調味料。日本の醤油に似ていますが甘味があり、粘度が高くドロッとしていています。
インドネシア語でケチャップは「ソース」。マニスは「甘い」。インドネシアではじつにポピュラーな調味料で、ミゴレンやサテの、クトプラッと現地では呼ばれているビーフンの味付けにとかなりの頻度で登場します。
ABC ケチャップマニスは現在取り扱いはなく、BANGOのケチャップマニスが入手できます。
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◇キャンドルナッツ   価格300円前後 
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html

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インドネシア語でクミリ。食感とコクを出すためにすりつぶして使います
マカダミアンナッツかカシューナッツで代用が可能です。

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◇バワンゴレン   <BAWANG GORENG> 価格300円前後 
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html
タイや台湾料理にも使われる揚げネギ。このネギは英語でシャロット、ホムデン。
台湾では紅蔥頭(アンチャンタウ)、中国では胡葱(フーツォン)と呼ばれる
揚げた香ばしさとネギの香りで食欲をそそります。中華街の食材屋で揚げネギで手に入ります。

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◇タマリンドペースト   <TAMARIND > 価格400円前後 
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html
http://www.asianbazaar.co.jp/product_info.php?products_id=200
独特のフルーティーさと、甘味、とろみを料理に加えるときに使います。
タマリンドはお湯に10分ほどつけた後、しっかり手でもみ出してから使います。

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◇バワンメラ   <BAWANG MERAH> 価格500円前後 
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html
生のシャロット。すりつぶしてソースなどにします。インドネシアでは“バワンメラ”。タイ食材屋では“ホムデン“と呼ばれています。
日本のタマネギよりも小さく味は丸さがあります。

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◇こぶみかんの葉   <DAUN JERUK> 価格200円前後 
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html
インドネシア語でダウンジュルック
タイ食材屋では“バイマックルー”と呼ばれています。細かく切ってすりつぶしてソースなどにしたり、スープに入れて煮込んで香りづけにつかったりします。
切るときは必ず、茎を取り除いてから使います。


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◇パンダンリーフ <DAUN PANDAN> 価格500円前後 
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html
インドネシア語でダウン・パンダン。インドネシアのスイーツには欠かせない独特な香りを持つハーブです。ココナッツミルクや湯に加え、煮出して香りを移します。
バニラエッセンスのようにインドネシアではこの葉の香りの食用香料も販売されています。
タイでは「バイトーイ」と呼ばれハーブティなどに使用されています。



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◇サラムリーフ   <DAUN SALAM> 価格500円前後 
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html
香り付けのために使われるハーブです。インドネシア語ではダウン・サラム、英語では サラム・リーフやインドネシアン・ベイリーフと呼ばれています。強くはありませんが
、インドネシア料理らしさを演出する独特な芳香を持っています。煮物やスープ、おか ゆ、魚料理などに使用されます。





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◇ レモングラス  <DAWN SERAI, SEREH> 価格300円前後 
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html
インドネシア語ではダウン・スライ、スレなどの名前で呼ばれています。レモンのよう な爽やかな香りで、英語名はレモングラス。肉料理や魚料理の臭い消しなどのために使
われたり、ハーブティーに使われます。白ネギのように見えますが、かたい葉がきつく 巻かれた状態です。スープなどにはそのまま適当な長さに切って加えますが、みじん切
りにしてすり潰し、他のハーブやスパイスとともにペーストとして料理の香りづけに使用することが多いです。




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◇ ターメリック  <KUNIR> 価格300円前後 
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html
インドネシア語でクニット。しょうがの仲間で、皮をむいて使います。沖縄ではうっちんと呼ばれて おり、別名、秋ウコンと言います。
断面が鮮やかなオレンジで生姜のような香りはなく、土のような香りがします。
生はあまり手に入らないので、粉末ターメリックで代用できます。生2.5cmは粉末小さじ1



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◇ガランガー  <LAOS> 価格300円前後 
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html
インドネシア語でラオス。しょうがの一種でとても固く、皮をむいて使います。タイ食材屋では“カー”と呼ばれています。





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◇バンウコン  <KENCUR> 価格300円前後 
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html
インドネシア語でクンチュール。しょうがの一種です。
独特な爽やかな香りがする。主にバリ島料理や魚料理で隠し味(控えめ)に使われます。
またお米とクンチュールを一緒に口の中で噛んだものを「ボレ」と呼び、風邪気味の時に体に塗します。





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◇ 唐辛子  <CABE> 価格500円前後 
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html

辛い料理が好きなインドネシアでは唐辛子もたくさんの種類があり、目的によって数種類を混ぜて使うこともあります。一般的に小さな品種ほど辛味が強いと言われています
。10-15cmほどの大きめのものは「チャベ・ブサール」「ロンボク」と呼ばれ、辛味よりも爽やかな香り出すために使われます。タイ食材店で「プリック・チーファー」として売られているものが近いです。3cmほどの小さな「チャベ・クチル」は辛味が強く、さらに小さい「チャベ・ラウィット」は英語では「バーズアイ」と呼ばれるもので激辛です。タイ食材店の「プッリッキーヌ」が近いです。




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◇ テンペ <tempe> 価格300円前後 
大豆の煮豆を、テンペ菌で無塩発酵させ圧縮させたインドネシアの食材。 味に癖がなく納豆のようなネバネバやニオイもありません。
インドネシアではバナナの皮に包まれて売っています。
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html



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◇ レモンバジル <Daun kemangi> 価格300円前後 
入手先:レモンバジルの苗 で探してみてください
インドネシア語ではダウン・クマンギ。スイートバジルのような味と香り、さらに柑橘 系の爽やかな風味があります。タイではメンラックと呼ばれています。




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◇ アジアニンニク <Bawn putih> 価格300円前後 
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html
インドネシアではバワンプティと呼ばれているニンニクです。日本の物より小さく、香りも弱いです。
。タイ食材屋では“ガティアム”と呼ばれています。



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◇バナナの葉 <daun pisang> 価格1000円前後 
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html

インドネシアではダウン・ピサンと呼ばれています。お皿につかったり、香が良いため、お料理では焼き物や蒸し料理に巻いてつかったりします。ないときはアルミホイルで代用できます。タイ食材では“バイトーン”と呼ばれています。

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◇ピーナッツ <Kacang tanah> 価格500円前後 
入手先:一般的なお店
正確にはカチャン・タナですが、インドネシアでは一般的にはカチャンと呼ばれます。
サテ(串焼き)やガドガド(温野菜サラダ)のソースなどに使われます。

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◇シュリンプペースト <terasi> 価格800円前後 
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html
インドネシアではトゥラシ、タイ食材ではガピ・レックと呼ばれています。塩辛い味の旨み&コクを出すために使う調味料。海老を発酵して作っているので、臭味が強いため、
しっかり火を通してこの臭みをとることが大切です。


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◇ココナツ <santan> 価格200円前後 
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html
インドネシアではサンタンと呼ばれています。
現地では生のココナッツを削って、水を加えてしぼって使います。料理やデザートやケーキなどクリーミーな味を出したいときに加えます。日本では缶詰で売られているココナツクリームを使うことが多いようです。

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◇パームシュガー <gula merah> 価格400円前後 
入手先:http://acanthus-osaka.com/citarasa/japan/index2.html
インドネシアではグラ・メラと呼ばれています。椰子類から作られた砂糖で焦げやすいので扱いに注意が必要です。


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◇チョコレート練乳 <indo milk>

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◇石臼 <COBEK> 価格小さいものは1200円前後~一般的なものは5000円前後 
入手先:http://www.ebay.com/
インドネシアではチョベッと呼ばれています。インドネシアの台所には欠かせない香辛 料をすりつぶす為の道具。ないときは、細かく包丁で香辛料を砕いてからブラウンのハ
ンドプロセッサーで代用できます。
ブンブと呼ばれるハーブとスパイスのペーストを作るために 良く使います


ブラウン マルチクイック プロフェッショナル MR 5550 M CA



インドネシアの食材はほとんどタイ食材屋で入手可能です。



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