●ムルレンミョン（水冷麺）
夏になると韓国の食堂に「冷麺」の貼り紙が目立つようになります。日本でも冷たいお蕎麦や素麺をよく食べるのと同じですね。韓国で冷麺といえば、スープの入った「ムルレンミョン（水冷麺）」と「ピピムネンミョン（スープなし）」の2種類があります。 もともとムルレンミョン（水冷麺）は朝鮮半島北部（現在の北朝鮮）のお料理です。冬はとても寒い地域ですが、その時期に「時食」として食べられていました。驚きかもしれませんが、これは本当の話です。寒い冬に部屋をオンドルでポカポカに暖かくして過ごしていたために、ときどきこのムルレンミョンを食べて、のどや気分をうるおしたということです。また、ピピムネンミョン（スープなし）はハンギョンド地方（現在の北朝鮮）のお料理としてこちらも有名です。 韓国料理のスープは作るのに手間がかかって大変ですが、時間のあまりかからない鶏肉をつかったスープの取りかたをお教えしえしたいと思います。


●牛タンのピョニュク（茹で牛舌の薄切り）
食欲のおちる季節でもさっぱりと美味しくお肉を食べられるのがピョニュクです。そうですね、ハムをイメージしてみてください。牛タンのピョニュクは韓国でも高級食材なので、家庭で食べるのは珍しいようです。 ピョニュクというのは、臭みをとりながら蒸したり茹でたりしたお肉を薄切りにしていただくお料理です。とてもさっぱりしていて食べやすいので、冷麺との相性がとてもよいですよ。お酒を飲めるひとであれば、焼酎を飲みながらピョニュクを食いただいて、最後に冷麺を食べるなんて、きっと最高でしょう。シンプルに塩・胡椒でいただく方法と、キョジャソース（辛しソース）と白髪ねぎと一緒にいただく2通りをご紹介します。


●ビンデトック（緑豆チヂミ）
韓国にはとてもたくさんの種類のチヂミやジョンがあります。普段の生活でも本当によくチヂミを食べています。食事として、ちょっとしたおやつとして、お酒のつまみとして、お客さまのおもてなしに・・・それくらい生活に密着したお料理です。「トック」というのはお餅という意味ですが、このチヂミはもち米ではなく緑豆を使っています。緑豆チヂミは昔、お菓子として甘い味付けがされていたようで、お餅のお菓子と同じように呼ばれたのではないかといわれています。 緑豆は昔から朝鮮半島では食べられてきた代表的な食品のひとつです。緑豆は体を冷やす効能があるので、夏の暑いときにピッタリの食材だと思います。デトックスの効能もあり、韓国では薬膳料理にもつかわれています。韓国のドラマ「チャングムの誓い」にも緑豆は薬として登場したほどです。からだに良い食べものとして緑豆をおぼえておいてくださいね。ビタミンも豊富ですよ。


●チョレギ（野菜サラダ）
ずいぶん前に流れていたテレビコマーシャルにより、日本でチョレギという言葉が「韓国風のサラダ」として定着しているようなので、「チョレギ」というなまえをメニューに使いました。韓国には「チョレギ」というお料理はありません。 チョレギとはもともと、慶州道の方言で「ちぎる」という意味です。手でちぎった野菜を浅漬けのようにして食べることをコッチョリといいますが、見た目はサラダにそっくりです。このコッチョリという言葉がなまって「チョレギ」というようになったのでしょうね。生野菜をささっとドレッシングのようなタレで和えていただきます。使う野菜は体温を下げる助けをしてくれる緑黄色野菜を選びます。こちらも食欲のでる味付けですから、お野菜を美味しくたくさん食べることができます。


●今月のキムチ：オイキムチ（キュウリの挟み漬け）
今が旬のキュウリを使った代表的なキムチの1つです。韮やにんにくなどの薬味をたっぷりを挟んで漬け込みます。しっかりと味をしみこませたジューシーでシャキシャキとしたキムチは絶品です。冷たく冷やしていただきます。 韓国のキュウリでつくると長く保存できますが、日本のキュウリは水分が多く柔らかいので、冷蔵庫で長くて1週間の保存です。でもご心配なく。作った翌日から美味しく食べられますから、それより早くなくなってしまうでしょう！


●韓国伝統茶とフルーツ
いろいろなフレーバーの伝統茶の中から1つヤンさんがセレクト。フルーツも当日のお楽しみです。