新年明けましておめでとう。

「ついた餅より心持ち」
ついて出てきたお餅より、出してくれた人の心がうれしいっていう意味の諺なんだ。

私には小さな子供がいて、物を自分の善し悪しで判断をせず、そうした心を忘れないで育ってほしいといつも願ってる。
今日は少し時期をさかのぼってそんなお話を。


第十六回 本牧でハロウィン

   
     



友人のソフィアは本牧の一角にある住宅街に住んでいる。 そこはちょっと洒落ていて電信柱は地中の底で眠っているせいか、空がいつも大きいところなんだ。

 ある日ソフィアの家でお茶をしていると、

「この街でハロウィンをやっているのよ。どこからともなく仮装をしたお化け達が、いつも静かなこの街全体を多いつくすの。今年はどれだけお菓子を用意すれば良いのかし らねぇ。」

とうれしそうな表情を浮かべる。
「フェンスに囲まれているわけじゃないからね。」
「例え作っても乗り越えてくるわよ。あの子達」

そういいながら、窓辺には魔女のシールを貼り、木にオレンジのパンプキンのバルーンを吊る下げる。
お化け達を出迎える準備は万端だ。


 ソフィアの住んでいたペルーのハロウィンは、カーニバルを行うそうである。露店が街を埋め、車はクラクション を響かせながら通りすぎ大人も子供もお祭り騒ぎをする。 アメリカ流のそれとはちょっと違うようだ。
ハロウィン自体は、万聖節11月1日の前夜に現れるいろい ろな邪悪なものたちを追い払うお祭りで、子供達がお菓子 を取りに各家庭を巡るスタイルは アメリカと本牧だけ。

 ソフィアが日本でその光景に初めて出会った時、心の奥 につかえていたものがキュっととれた感じがしたそうだ。 ナイトメアビフォアクリスマスの主人公ジャックが迷いこ んだクリスマスタウンで驚いたようにね。

 ETの映画で初めて知ったハロウィン。 ずっと”大人がお酒を飲みながら仮装するパーティ”しか 日本にないんだろうなぁって思っていたから、なんだか ちょっぴりうれしくなった。

「誰が始めたの?ハロウィン」
「それがわからないのよ。自然に街の何件かのお宅が初め たのがきっかけとなったみたいね。それが徐々に今はこの 周辺の60軒くらいがおこなっているわ。そして訪れる人達 は徐々に広がり去年は400人くらい来たようね。」
「お化けは子供達がなるの?」
「もちろんよ。これは子供達のお祭りだから。日本の小学生以下の子供達が主流になるのよ。」


  毎年10月31日の夜こうして本牧のとある一角で小さくて偉大なお祭りが開かれる。
子供達は思い思いの仮装、そう骸骨や魔女、お姫さまの格好をして片手に小さなカボチャのバックといたずらをする 武器を持ち、玄関に電灯を付けているお宅を回る。
各家庭の玄関にはくりぬいたパンプキンの蝋燭「ジャック オーランタン」や怖い魔女の人形達が飾られている。

ピンポーン
「Happy halloween」
と家の主がたくさんのお菓子を持って現れる。
「Trick or treat!(お菓子かいたずらか?)」
と子供達
お菓子をチョイスして小さなバックへ
「Thank you!!」
暗闇の中を手を降りながら去っていく。


 最後に。

ねえどうだろう。 もしわたしたちの家の前に突然たくさんの小さなお化け達が訪ねてきたら。
少し斜めに見ていた世の中がすこし変わる気がしない?

本牧に灯ったハロウィン小さな火が点々と横浜中に点火されて、そのうち世界のどこよりも大きいジャックオーラン タンができるかもしれない。

今度、じぶんちの側ではじめて見ようかな。


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本日のレシピ

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◆ハロウィンのパンプキン蝋燭の作り方 (時期が遅いって??)
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用意するもの
1)オレンジ色のかぼちゃ
2)ナイフ
3)画鋲
4)スプーン
5)白い紙
6)ペン
7)テープ

※作り方
1)オレンジ色のパンプキン(日本の緑色のかぼちゃと違っ て表面の皮はさくさくとして柔らかい)の頭の部分を丸くき れいに切り取ります。 これは蝋燭の蓋として後から使うので取っておいてください。

2)スプーンで中の実を全てかき出します。

3)型紙を作ります。白い紙にペンで切り抜きたいの型パンプキ ンの目と口を書きます。 (市販の型紙を利用する場合はこの作業を省きます) 3)パンプキンの表面 に2)の絵をテープで貼ります。

4)型紙の上から画鋲で絵のラインに沿って点画のように刺して いきます。

5)型紙を外し、ナイフで点画に沿って切り込みを入れます。

6)中に蝋燭を入れ、切り抜いた蓋をして出来上がり。 *型紙の変わりに直接マジックで切り抜きたい絵を書き込んでも良 いでしょう。

   

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同名の最初のサイトでお料理レシピ集のホームページを運営していました。
..というわけで”私の台所”からスタートをしました。
そのうち、”他人の台所”に変化したのは言うよしもありません。
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