料理映画:花椒(ホアジャオ)の味 

◆花椒(ホアジャオ)の味



◆映画:花椒(ホアジャオ)の味


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<映画紹介>
人生とは火鍋のようなもの。時には熱く、時には痺れるように体を包み込む。
心の橋を渡る大切さに気付かせてくれる やさしいストーリー

11月05日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
<<https://fagara.musashino-k.jp>>

<<文:棚瀬尚子(ニキズキッチン)>>

 

香港から心温まる家族愛のムービーがやって来ました。2時間近い長編なのに、優しい時の流れの中であっという間に過ぎてしまいます。途中おいしそうな火鍋のシーンが画面いっぱいに登場するので、映画の中に飛び込みたい気持ちを我慢するのが大変です。


火鍋というと赤白2色に分かれた「鴛鴦鍋(おしどりなべ)を想像する方も多いと思いますが、香港の火鍋は海鮮塩味でさっぱり。映画の中に登場するのは痺れることで有名な四川重慶の麻辣鍋。台湾では白菜の漬物を煮込んで作る酸っぱい「酸菜白肉鍋」。と地域によって味は様々です。

ところで東京で美味しい火鍋を食べるなら五反田(東京都品川区)の「ファイヤーホール4000」。麻辣スープの加減が絶妙です。麻婆豆腐のような痺れる本格的な四川料理を食べたい人は小岩(東京都江戸川区)にある珍々(ゼンゼン)。共に映画を観終わった後に飛び込むお店としておすすめです。 






さて映画の話に戻りましょう。香港に住む主人公の“ユーシュー”は父親が亡くなった後、父の残した異母兄弟の妹たちと初めて顔を合わせます。台北からは少し甘えん坊のビリヤード選手次女“ルージー”。三女は中国版大竹しのぶといった、奇抜な髪形をしたネットショップのオーナー“ルーグオ”。 ストーリーは樹木、枝、果物と木の名前を持った、育った文化も境遇も違う三人の姉妹が父の死をきっかけにお互いの存在を知り絆を深めながら奮闘する物語です。






この映画はふたつの「キー」がポイントになっています。

私たちは時折、人生の表現するのに「甘い、しょっぱい、苦い、辛い、痺れる(麻)」といった「味」にまつわる言葉を使うことがあります。

ひとつ目の「キー」はその中の「麻(マー)」

麻酔のように痛みや記憶を忘れる時に使う漢字です。花椒はカリッとかじる時に伴う痛覚が、心や体の痛みを一時的に取り除く特性を持っているのだとか。父を亡くした痛みを「麻(マー)(花椒)」がふんだんに使われた火鍋を作りながら癒していく、とても奥深い構成となっています。





そしてもうひとつは映画の背景に映り込む

「橋」





もともと交わりのなかった三姉妹たちは「私を必要とする場所」を常に探していて、さまざまな「橋」そして時には「トンネル」を背景に、感情を積み重ねながら物語は進んでいきます。
この「橋」は映画の中で特に語られることがなく、背景のみに登場します。これこそヘイワード・マック監督のなされる技なのです。是非映画を観賞される方は「離れた場所をつなぐ橋(とんねる)のシーン」着目してみてくださいね。





最後に。コロナ禍の中、世界中で家族と過ごす時間が増え、見えなかった問題を抱えることになったり、同時に実家の親を訪れるのもままならない日が続く。ということもあったかもしれません。


映画を観終わった後、あなたの家族や本当の居場所を思い浮かべ、今一度あなたの心の橋を渡ってみてください。遅いことはありません。小さな行き違いをきっと超えられるはず。

 

 

 

『花椒(ホアジャオ)の味』(原題:花椒之味)
プロデューサー:アン・ホイ(許鞍華) ジュリア・チュー(朱嘉懿)
脚本・監督:ヘイワード・マック(麥曦茵)
音楽:波多野裕介
出演:サミー・チェン(鄭秀文)、メーガン・ライ(賴雅妍)、リー・シャオフォン(李曉峰) リウ・ルイチー(劉瑞琪)、ウー・イエンシュー(吳彥妹)
特別出演:リッチー・レン(任賢齊)、ケニー・ビー(鍾鎮濤) 友情出演:アンディ・ラウ(劉德華)

配給:武蔵野エンタテインメント株式会社
©2019 Dadi Century (Tianjin) Co., Ltd.  Beijing Lajin Film Co., Ltd.  Emperor Film Production Company Limited  Shanghai Yeah! Media Co., Ltd.  All Rights Reserved.

公式サイト:fagara.musashino-k.jp  公式twitter:@fagara_movie
11月5日(金)より 新宿武蔵野館ほか全国順次公開

 

 



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