料理映画:七人樂隊 

◆七人樂隊



◆映画:七人樂隊


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第37回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション

<映画紹介>

7人がやさしく奏でる
香港の時代風景


10月07日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー



香港発の『七人樂隊』は1950年代から未来まで。移り行く各時代の香港の風景を7本、各10分間ほどのオムニバスに収めた映画です。監督は香港を代表する7名。それぞれの年代はくじ引きで決めたそうです。

1本目はジャッキーチェン主演の「スパルタンX」のサモ・ハン監督が制作した『稽古(七人樂隊)』。「屋上も教育の場」であった貧しかった1950年代の物語です。

 




1980年代は、小さな恋の物語『別れの夜(七人樂隊)』。社会経済が飛躍し移民することが人々の「夢」であった時代風景が描かれています。


物語は未来に進むにつれ、1作目の1950年代から想像もできないほど、香港は「多様性・共生・想定外」のキーワードが増えていきます。

2003年。香港では「トンネルの果て」が見えなかった時代がありました。SARSの流行です。ジョニー・トー監督が描いた『ぼろ儲け(七人樂隊)』というショートムービーは、その中心地であったアモイ・ガーデンズ(淘大花園)の物件を億万長者を目指して買うか買わないかという刺激的なストーリー。彼らはどんな行動に出るのでしょう。

ラスト7本目は『深い会話(七人樂隊)』はそんな予測不能な香港の未来を表したちょっとユニークなストーリー。

映画『七人樂隊』は、星の数ほどある人々の暮らしの中から監督たちの選んだ「最も恋しい香港」が濃縮されています。

そして、この映画のもう一つの着眼点は「移民」です。ところどころプリズムのように「移民」という要素がちりばめられてますが、 しかしどの映画監督も「移民」については語ることはありません。



ところで私自身が香港を初めて意識したのは、1980年代。小学校の教室の中でした。前夜にテレビで放映されたジャッキーチェンの「酔拳(すいけん)」の映画に魅了をされた男の子たちが、教室の後ろでくねくねと体をよじらせて騒ぎ立て、先生にしかられていた光景が今でも脳裏に浮かびます。



やがて時は進みバブルと呼ばれていた時代。香港は日本人の「爆買い」を象徴するような場所でした。 数多くの香港のガイドブックや雑誌が書店に並んでいました。「本」「ガイドブック」としての記憶です。

実際に初めて香港を訪れたのはだいぶ後です。返還の騒がしさがだいぶ落ち着いた2005年。夜になるとシンボルといえるネオンサインが次々と点灯し、まばゆいばかりの光が町にあふれ、異国情緒を誘ってくれました。

ところが2022年の今日。香港の象徴であったネオンサインの9割は建築基準法が変わったことで撤去されてしまったそうです。またオンライン広告で人を呼び込めるようになったこともあり、電気代のかかるネオンサインは時代にそぐわなくなったのもあるようです。

ちょっぴり寂しい気もします。

香港を飛び出した移民の人たちは、旅人と同じように久しぶりに訪れると「あるべき場所にそれがない」「自分の香港が違うものに変わり面影が消えた経験」をもっと強く感じているはず。




『七人樂隊』はそういった街の風景がやんわりと変わっていく姿も教えてくれます。
またどこか郷愁を誘うのは、全編35mmフィルムで撮影されたからでしょうか。アナログのカメラだからこそ出せる「温かい人間の感情」が全体を包んでいます。

さて映画の中では「茶餐廳(チャチャンテン)」と呼ばれる香港の喫茶店が登場します。ここは香港人にとっての憩いの場。いわゆる大衆食堂的な存在の場所で「安くて、早くて、味もそこそこ」。

ふにゃふにゃに茹でられたマカロニスープや、油で揚げて作る香港式フレンチトーストなど気軽に食べれるものが置いてあります。最近では日本にもできはじめました



映画の前後に「茶餐廳 日本版」を訪れて見れば、さらに香港を旅した気分を味わえるかもしれません。

是非日本で香港気分、味わってみてください。


<<文:棚瀬尚子(ニキズキッチン)>>


2020年・第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション作品。日本では同年の第21回東京フィルメックスの特別招待作品として上映され、観客賞を受賞(映画祭上映時タイトル「七人楽隊」)。
2021年製作/111分/PG12/香港/ 原題:七人樂隊 Septet: The Story of Hong Kong/ 配給:武蔵野エンタテインメント/ 公式サイト:septet-movie.musashino-k.jp  
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