アメリカ人作家Mr.Loganが見たた基地に住むアフリカ人スコラチカさんクラス。クッキングクラス。スコラチカさんの視点がハートフルにかかれています☆エッセイを他の先生におくったら大好評!そうなのよ そうなの。と大変楽しんでくれました。〜Niki

第二十七回 「Cooking with Niki's Kitchen at Yokosuka」  

               
Logan Davenport

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(写真は昨年のサンクスギビングのフォト)

私は、今回この横須賀米軍海軍基地内にある個人宅にて開催された料理教室に参加してみたら、どんな感じだったかをエッセイにしたいと思いました。
つまり、この料理教室ではどんな風に料理を教わっているかとか、教えているかとかいう料理そのものに関するものではなく、ちょっと違った視点から、所謂、米軍基地内でアフリカ人の奥さんに教えて頂く料理教室とは、こんな感じだったというのを書きたかったのです。

それは、かなり気温が高く、蒸し暑い、そして少し日は経ちましたが今年の夏も盛りの月曜日午前の出来事です。私は思ったよりも早めに横須賀基地に到着しました。1時間以上も待ち合わせ場所のゲートの外で待っていました。料理教室の先生、スコラチカ・フォード夫人がゲートにつく頃には、4〜5人の女性が私と同じように待っているのに気が付きました。基地内ではいくつかのニキズキッチンの料理クラスが開催されていますが、今回もそのうちの一つです。それに参加するために、インストラクター(料理教室の先生)が生徒さん達を基地内に入れるようにゲート迄車でピックアップに来て、基地に入る為に許可(レジスターしてパスをゲット)を取る手続きをしてくれるのです。

とにかく、とても暑い日でしたので、駅からゲートまでの途中、コンビニを見つけて買ったドリンクは既に飲み干してしまいました。日本では何処でもおなじみのコンビニは、公然とユビキタス(あちらこちらに存在する)として公認されているのに、今回はみつけられず。ゲートに面している道路を上がったり下ったりと、嘘みたいにずーっと歩いて、やっと1軒見つけることができました。こうして約束の時間までにゲート前で戻ってきました。更に待っている間には雨嵐が頭上に差しかかり、私達は俄雨でずぶ濡れになり、しかたなく、入口道路近くの上に跨っている歩道橋の下へと追いやられてしまったのでした。こんな筈ではなかったぞと、そこで待つ間に、如何ここにいるか?今回の目的をもう一度頭の中でおさらいしました。

私は単純に料理教室を楽しむ為にここにきたのです。今思えばアフリカ料理を前回より(同じ先生によるクラスは2回目)もっと知りたいという知的好奇心からでした。Mrs.フォードさんはとても見識の広い先生で、生粋のアフリカ生まれのアフリカ育ち。日本に住むアメリカ人の私がアメリカのほんの一断面にしか過ぎない米軍基地を訪問して本物のアフリカ料理を習うというのは、ちょっと風変わりだとは思っていましたが、、、。

先生は約束通りの時間に現れてくれました。直ぐに私達生徒達を基地内に入れる為に必要な手続き(ワン・デイ・パスを発行してもらう)を2〜3分で済ますと、先生のミニバンへと私達を連れて行ってくださいました。数人の小さなクラスでしたので、私達はミニバンに乗り込み、降りてから徒歩で先生のお宅にお邪魔する時も、英語で各々おしゃべりしながらだったので、とても楽しかったです。基地内に一歩入ると、ここはもう日本ではないかのような幻覚を覚えて、ゲートの外で想像していた世界との違いに驚きました。その幻覚は先生のアパートに一歩足を踏み入れたら更に強くなりました。(ただし、基地内では多くの日本人が働いていますし、通りにはタクシーも行き交っていますので、わざわざ似通っている処を細かに調べなければの話ですが)

そのアパートは広々としていて、ダイニング・ルーム、リビング・ルーム、キッチンは各々独立して設えつけられています。しかし、玄関先で直ぐ気が付いた事は、日本風に先生も生徒さんも宅内に上がる時は靴を脱いだ事でした。これは、基地内の住宅では習慣になっているとの事でした。そこの住民にとっては所謂、規則でもありました。私は日本に住む米軍基地のアメリカ人の一人ではなかったので、外部から見ると少しアメリカ風ではないこの出来事に、実際ここは日本なのだと思い出させてくれるのでした。それ以外は、テレビも日本のサブタイトルがついていたり、アメリカで放映されたのをダビングではない、本物のアメリカのテレビ番組を放映していましたし、ニュース番組も同時間帯のアメリカの番組でした。料理に使われるクッキング・ツール1つを取ってもアメリカのブランド製ですし、他の多くの製品もアメリカの家庭で普通に見られる物ばかりでした。

リビング・ルームとダイニング・ルームは全くのウエスタン・スタイルでデザインされていました。日本の住宅では殆んどの場合、2部屋が繋がっているのに、2部屋は全く独立して設えてあったのです。私が今まで日本のアパートや住宅を訪問して見知った限りでは、モダンな作りの住宅でさえ、ほとんどリビング・ルームとダイニング・ルームは1部屋か同じ部屋か、もしくは同じ部屋をテーブルで仕切った程度です。ですから最初に靴を宅内に入るドアの処で脱いだ瞬間から、古くて懐かしいアメリカの雰囲気を感じはじめていました。

それに、キッチンも四方にゆとりのあるワイドな全くウエスタン・スタイルでした。特筆すべきはそこに備え付けのオーブンです。日本でオーブンというと、コンパクトな電子レンジとオーブン機能がついたオーブン・レンジですが、これは欧米人が使用している大きな本物のオーブンです。同じ先生で体験した前回のクラスにしても今回にしても、特にその大きなオーブンを使っていないにしても、ドカンと位置してそこにあるだけで、すごく存在感があり良い感じでした。どうして先生はこのアメリカ家庭では一般的に使用されている大きなウエスタン・スタイルのオーブンを使って日本人女性(私はアメリカ人男性ですが)に料理を教えるのでしょうか?生徒さんのお宅ではこんな大きなオーブンはないので教わったお料理をそのままそっくり真似できないはずなのです。でも、それは生徒さんがウェスタン・スタイルに対する憧れがあるからですし、実際にはご家庭にあるストーブの上や電子レンジ等をうまく使えば良いのだと思い至りました。次に目についたのは、それ以上に充分にゆとりのあるキッチン・カウンターの空間です。広すぎる程スペースがありましたので、準備をしたり、物を捨てたりと好きなように好きな分だけのスペースを使えるようになっています。電動の缶切(本当に電気仕掛けの物が存在してました)や、使用する時だけそこにトースターを置くのでなく、トースターを置きっぱなしにしておくスペース。水廻りのシンクは、2つありました。驚きでしょう!洗いと濯ぎとに仕切られています。日本ではめったにおめにかかれないシンクです。多くのシンクはそこで物を洗う為の大きな洗い場になっています。それと電動生ゴミ処理機があります。シンクに落ちた大き目のゴミを受け止めるゴミネットは必要なくなり、スイッチをパチンと動かせばゴーという騒音とともに処理機がゴミを細かく砕いてくれます。大きめの食べ物でも(金属製やリングでなければ)簡単に噛み砕いてシンクしたの下水道へと流してくれます。私はそれまで、このような生ゴミ処理機なる物は一切気にかけた事がありませんでしたが、これこそが欧米文化その物なのだとその時はじめて気が付きました。
外国の文化を学ぶという事は実際に何かを見て感じる、こんな些細な事なのではないでしょうか?日本の生徒さんは、このゴミ処理に関心があるようでしたし、少なくともこの程度の文化の相違を学ぶ機会を得られたのではないかと思っています。

もう一方で直ぐ目についたのは冷蔵庫でした。日本の典型的な家庭用冷蔵庫の大きさとは比べ物にならない程巨大な冷蔵庫です。その冷蔵庫を置くために用意するスペースとして考えられる壁に割り当てられたスペースも同じくです。そこで私が目にしたのは、冷蔵庫その物ではなく、上から下まで冷蔵庫を覆っていた物です。なにしろ上から下までご一家の小さめサイズの写真、とりわけお嬢さんの写真で覆われていました。多種多様にデコレーションされており、(単に可愛いのでもなく、お店で売っているマグネット類等)手作りの物やお嬢さんが学校で製作した物とかで、そのたっぷりスペースを取っている巨大な冷蔵庫が上から下までゴチャゴチャと飾り付けられていたのを見た時には一人密かに笑いがこみ上げているのを我慢しておりました。そうなのです、全く私の自宅にある冷蔵庫その物ですし、また他のアメリカ人家庭で目にする殆んどの冷蔵庫その物があったからなのです。そんな冷蔵庫を目にして、私はとても楽しい気分になりましたが、他の日本人の生徒さん達はたぶん、それ程には感じなかったようで、その違いを気にかける様子は見えませんでした。

料理教室の教え方その物についていえば、フォード夫人は実にわかり易く丁寧で礼儀正しく教えてくれました。初めに、料理に必要な材料を取り出して並べてくださり、とても注意深く1工程ごと「このように材料を準備し、こうして各人のお皿を準備する」という様に、私達に実際にやって見せてくれました。ひとつだけユーモラスな事を言わせていただくなら、「先生の仰る事が生徒さん全員が全て理解できたかどうかを表現する方法がなかった」という事です。先生はとても熱心で私の投げかける質問は全部丁寧にお答えくださいましたし、生徒さんたちも料理をする事も先生が今まで体験なさった事のおしゃべりも楽しんでいたようですが、会話は全部英語でしたので、もちろん皆様が英語は良くご理解されていらしたようですが、まっ、どの程度ご理解されていたか、とうような失礼な質問がみあたらなかったのです。

質問をする、というただ単にそれだけの事に問題があると思います。この2回目の料理教室の途中で私の娘の事を思い出しました。娘は他の日本の子供達と同じような教育課程で学校教育をうけております。そこの生徒達は授業中に質問でさえも差し控えるようにされています。ただ単純に質問もしないのです。多くのヨーロッパやアメリカではどうかといえば、生徒達は授業中にできる限り手を上げて質問したり、質問された事に答えるようにしています。日本のように授業を静かに受けるような事はしません。学校後に通う塾と呼ばれる授業でするような事です。塾で、生徒達は質問をしたり、質問されたりして、個々人がトレーニングを積んでいきますが、通常の教育課程の学校では、そのようにはしません。教師が話し、生徒が聞くというスタイルです。それは大多数の日本人の生徒達が短期間海外で授業を受ける時でさえ然りで、彼らは質疑応答には控えめにしているように見うけられます。遠慮なく話したり、思うところをいったりして、調子ぱずれで感覚がズレているとは思われたくないようです。しかし、ニキズキッチンの料理クラスでは実際に質問したり、おしゃべりしなければならない状況にあるのですから、フォード夫人もニキズキッチンのスタッフも生徒さんたちにはもっと大胆に質問をしたり積極的におしゃべりをしたりするように、お勧めしたら良いと思います。私が先生に質問をして、先生がそれに答えて下さると、他の生徒さん達もその先生の答えがあたかも知りたがっていた事かのように興味深く受け止めているように見受けられましたので、私が他の生徒さん達が質問したいと思っていた事を質問したかのように思えました。数人の生徒さんが私と同じように質問をしたり遠慮なくおしゃべりしていたので、それはハッピーな感じでしたが、他の方々は質問するのを躊躇っているように感じました。

いくつかの材料に関していえば、日本で入手するのは難しいです。フォード夫人はそれらの入手困難な材料の適当な代用品を教えてくださり、2〜3の輸入販売店も教えてくださいました。本当に希少な材料を手に入れられる場所を教えてくださったので嬉しかったです。珍しい材料は東京都内の名前の知られていない場所にありますので、何処で見つけたらよいかのアドバイスを頂いた事は本当に役に立ちました。

一つのメニューは1つ1つ順をおって、手際よく、しかもいくつかの準備と同時に用意されていきました。生徒さん達は調理過程やテーブル・セッティング前後の写真取りに熱心でした。もちろん、途中では、私が殆んどノートを取っていたように、他の人もノートを取っていました。たぶん、このクラスが始まる前に生徒さん達全員に料理手順やレシピが日本語で配られていたようでした。ただ、日本語に関してはちょっと弱い領域でして、読むのが苦手なので、思いつくまま順不同に、後でわかりやすいモースル信号的に携帯にタイプで打ち込んでおき、ノートにも何に関して書き写したかを書いておきました。写真ももちろん取りました。

料理の良い香りが部屋中に満たされ、お料理が美味しそうに皿のうえに装われました。生徒さん達はテーブル・セッティングをし、料理を楽しく味わいました。全部の料理を食べ終わったら、食べ残りを自宅に持って帰るようにと薦められましたので、持参した保存容器(プラスティック・コンテナ)を取り出してきました。私以外の全員が用意していましたので、それを見たフォード夫人は私にも夫人のタッパー・ウェアーをご親切にも一つ分けて下さいました。そんな先生の気さくな処も本当に素敵です。私はオオバコが気に入りましたので残りのうちから2〜3コを取り置きました。全2回にわたる先生の料理クラスで体験した私のお気に入りの料理はフルーツとデザートです。

食事の後かたずけも終えて、私達は1階に行き先生のバンに乗り込みゲートへ戻りました。この体験すべてがとてもポジィティプな(前向きで実りのある)ものでありました。皆様に外国の料理を習う事に興味を持ってもらいたいたいですし、日本に居住している外国の方々にもいつもと違う料理を学ぶようお薦め致します。さらにまた、欧米風の生活様式を少し思い出してみてくださるようにお薦め致します。どちらの経験も楽しい時間を過ごせますし、愉快で楽しい思い出にもなります。

エッセイストの紹介
ローガン・ダヴェンポート氏

私の名前はローガン・タヴェンポートです。日本在住のアメリカ人で、15年以上パートタイムのライターをしています。無数の事柄や多種多様な物事を書いてきました。著名人の為にスピーチを書いたり、科学関係、童話や一般のフィクションも書いてきました。
現在は家庭教育の為の教科書製作しているキリスト教出版会社で働いています。
広い視野にたって書く事が好きで、最近は日本における自分の経験や自分自身の生活に関するいくつかの項目を書いています。それに、ユーモアの本もいくつか書きました。

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日本語訳:ユニコーンさん



エッセイストの紹介
ローガン・ダヴェンポート氏


Profile:

私の名前はローガン・タヴェンポートです。日本在住のアメリカ人で、15年以上パートタイムのライターをしています。無数の事柄や多種多様な物事を書いてきました。著名人の為にスピーチを書いたり、科学関係、童話や一般のフィクションも書いてきました。
現在は家庭教育の為の教科書製作しているキリスト教出版会社で働いています。
広い視野にたって書く事が好きで、最近は日本における自分の経験や自分自身の生活に関するいくつかの項目を書いています。それに、ユーモアの本もいくつか書きました。



日本語版:ユニコーン