●連載1:関東のひとつ残し
●連載2:本音と建て前

これも文化のちがい? Is this a different culture?
連載1:ニキズキッチンのNIKI (日本語)&HIROKO (英語)&漫画おざわじゃこ

"Last bite leftover"

Quite often in classes or when you go out drinking, there is one last bite
left on the table.
No offense to your cooking,this is typical in Japan especially in Kanto region.
There are many reasons behind but one of the reason is that you would be seen greedy
if you take the last bite. It is everyone's politeness condecnsed in this last bite.


「関東のひとつ残し」

関東地方では、お料理教室や宴会の大皿料理が、なぜか最後に少しだけ残り、誰も手をつけない状態が頻繁にあります。これを「関東のひとつ残し」と呼んでいて 食事のマナーになっています。 さてどうして一口残すのでしょう。
いろいろな理由がありますが、多くは

●最後の一口を食べると「がめつい」と周りに思われるのを避けるため

●料理が足りないと思われない為の周囲への気づかい

●料理がなくなると会の終了を意味してしまうから

●料理がなくなると、食卓が寂しくなり追加注文をしなくてはいけないから 

などの理由があります。

●ちなみに名古屋の人は関東とは逆です。最後の一口を食べることに抵抗はありません。むしろ一口残ってることは『行儀が悪い』と躾(しつけ)られていたり、『心に見えない壁』を感じる人もいます。
沢山の地域出身の人が集まるお料理教室、意外な習慣で出身地が見てくるかもしれません。



ところで、本当に最後の一口をそのままにしておくのも関東では、いささかマナー違反です。そのため食事の終了間際に、最後の一口を食べる係の人が自然に生まれます。

これは本人が「いただきます」と言って宣言をして食べる場合もあれば、周りの人が空気を読んで指名する場合もあります。 また、いつも最後の一口を頼まれる人もいます。

この最後の一口を食べてもらうと周りも安心して会が終了します。

ちなみに量が多くて残す場合もあります。その時は一口ではなくいっぱい残っています。



世界の「関東のひとつ残し」

モロッコやコロンビアも「関東のひとつ残し」と同じ習慣があります。

しかしフランスやオーストリアは、その反対で残さず食べることが食事のマナーになります。
そのためヨーロッパのお料理教室では物理的に食べれないものや、量を食べれない時は事前に伝えて完食をこころがけをします。これは料理教室だけでなくヨーロッパのレストランや家に招かれた時も同じです。レストランの食事を残さないこともマナーになっている為、どうしても自分の苦手なものが出てきた場合などは、皿の隅にまとめて置くようにします


そのため「関東のひとつ残し」がない国でこの日本の文化を知らない国の人は、料理教室の後に「おいしくなかったのかしら」「あの食材は苦手だったのかしら」と悩んでしまう先生もいます。


そして後から理由を知り面白く感じるようです。

どちらの文化なのか、出会った国の人たちに聞いてみてくださいね。



まんが:おざわじゃこ 小岩タイムズで漫画を連載中
http://blogs.yahoo.co.jp/ozawaja
文:英語きよのぶひろこ
日本語たなせなおこ(外国人の自宅訪問 料理教室 ニキズキッチン )
http://www.nikikitchen.com/