イギリス英語では、『Tea』には2つの意味があります。まずは、飲み物としてのTea。平均的なイギリス人は1日に3杯の紅茶を飲んでいると言われています。そしてもう一つのTeaは、軽食を指すことがあるんです。「Afternoon Tea」では軽食をとりながら、紅茶も飲みますよね。つまりアフタヌーンティーの『Tea』は、飲み物のTeaと軽食を指すTeaの２つを意味しているんです！ イギリスで、『What’s for Tea tonight?』という質問は、今晩何を食べますか？という意味になります。では、このレッスンでヨークシャーテイーの“ティー”として何を食べるのか説明しましょう。

ヨークシャーはイギリス最大の州です。州都はヨークで、主要な観光地です。ヨークシャーには、長く続く独特な歴史と文化があります。ヨークシャー出身の有名人には、ブロンテ姉妹やガイ・フォークス、探検家のキャプテン・クック、コメディアンで俳優のマイケル・ペイリン、歌手のエド・シーラン、女優のジュディ・デンチ、彫刻家のバーバラ・ヘップワース、画家のデヴィッド・ホックニーなどがいます。また、ヨークシャーには独特な食文化もあります。

このレッスンでは、ヨークシャー 独特の食べ物のうちのいくつかを紹介します。

ベティのティールーム（Betty's Tea Room）は、ヨークシャーに3店舗（ハロゲート、イルクリー、ヨーク）を構える有名で人気のティールームです。このお店では、“ファット・ラスカル”という独自のスコーンを作り出しました。スパイスが入ったこのスコーンは、クリームやジャムではなく、バターを添えて食べるのが一般的です。
そこでまずは❶ファット・ラスカルを作ります

❷“パーキン”はヨークシャーを代表する伝統的なケーキで、モラセスを使ったねっとりとした食感が特徴です。寒い季節に作られることが多く、特に11月5日の“ボンファイヤーナイト”に人気があります。

“ボンファイヤーナイト”は、ガイ・フォークスの処刑を祝うイギリスの行事で、彼が議会を爆破しようとしたものの失敗し捕らえられた出来事に由来します。この夜、人々は花火や焚き火、特別な食べ物を楽しみながらお祝いします。その中でも、パーキンは欠かせない存在です。

寒い秋の夜、温かいスープはいつでも歓迎されますよね。今回のクラスで作るスープは“❸マッシュルームスープ”で、今回ご紹介するレシピはヨークシャーで作られたものです。元々は、秋に採れる野生のキノコを使って作ったものでした。さあ、この情景を想像してみましょう！　『寒い夜、外で大きな焚き火を囲み、手には熱いスープの入ったマグカップ、そして、空には花火が打ち上がり、あなたはパーキンやヨークシャー独特の食べ物を楽しみにしている。。。』

名前にはプディングとついていますが、“❹ヨークシャー・プディング”は甘くなく”セイボリー（Savory）”です。イギリスではとてもポピュラーな料理で、今日では、ローストしたミート、ポテト、野菜と一緒に食べるのが一般的で、メインコースの一部です。しかし、もともとは前菜としてグレイビーソースと一緒に出されていました。また、ヨークシャー・プディングはハチミツと一緒にデザートとして出されることもあります。

”❺“リンゴとタマネギのパスティ”は、チーズを添えて食べるのが一般的です。このパスティは、甘いスイーツとセイボリー（塩味）の中間的な味わいが特徴です。また、肉の入ったパスティよりも手頃な価格で作れるため、家族みんなで楽しむのにぴったりな料理として親しまれてきました。