●フレッシュビーツのサラダ
以前、ビーツを使ったお料理のクラスで、生徒さんから「アゼルバイジャンでは、ビーツは生で食べられますか？」と質問を受けました。その際に真っ先に思い浮かんだのが、このサラダです。そう、アゼルバイジャンでは生で食べることもあるのです。茹でたり焼いたり、様々な形にカットしたりスープにしたりと、ビーツの使い方は多種多様。変わったところではビーツのジュースもあります。生で食べるとビーツの土っぽい味がより際立つので、他の生野菜やビネガーなどと合わせ、少し中和させます。



●シガラボレック風 アゼルバイジャンのパイ
三角に切った薄い生地をくるくると巻きタバコのように巻いている姿から、タバコの、という意味でシガラ・ボレックと呼ばれるパイです。現在もトルコでは有名なパイですが、オスマン帝国の影響を色濃く残すアゼルバイジャンでも、日常的に深く浸透しています。白いチーズとハーブを入れたマイルドなフィリングに、パリパリとした食感のパイは、朝、昼、夜といつでも食べられる人気のおやつでもあり、お惣菜のひとつです。



●蕎麦の実添えグヤーシュ「グリヤーシュ」
グヤーシュといえば、ハンガリーのパプリカたっぷりの赤いスープを思い浮かべることでしょう。実はグヤーシュは、ハンガリーだけでなく、ドイツやポーランド、そしてハンガリー帝国が支配していた周辺地域、オーストリア、スロバキア、ウクライナ、ルーマニア、クロアチア、セルビアなど広い地域でよく似たお料理があります。ロシアでもグリヤーシュという名前は同じでも、パプリカの入らないスープがあります。スパイスの使い方が違えばお肉の種類も様々で、豚肉、牛肉、羊肉と地域によりバリエーションがあります。
アゼルバイジャンでは、グリヤーシュは牛肉と羊肉をトマト風味に煮込みます。一緒に頂くのはマッシュポテト、パスタ、ごはん、そして今回ご紹介する蕎麦の実が定番。蕎麦の起源には諸説あるものの、数千年の歴史を持つ穀物です。肉料理の付け合わせにされることも多くあります。お肉の風味が染み込んだシチューと共に頂く蕎麦の実は、日本人の思う蕎麦風味の観念をぐっと広げてくれることでしょう。



●イチジクのドルマ
アゼルバイジャンのドライフルーツの歴史は長く、紀元前6000年頃には既にドライフルーツが作られていたといわれ、人類史上最も古くからドライフルーツが作られていた地域のひとつです。乾燥させることで味と甘みが強くなることが既に知られていました。中でもイチジクはお料理に、デザートにと現在でも身近な食材です。デザートも、生やドライでそのまま食べるだけでなく、ジャムにしたり「ドルマ」にしたり。「ドルマ」といえば、詰め物料理を思い浮かべるかもしれませんが、今回はデザート版のドルマをご紹介します。


●ウェルカムドリンクと軽いおつまみ
ウェルカムドリンクと、ご到着時のおもてなしとして、手作りのいろいろなものをお出ししています。