小田急線新百合ヶ丘(川崎市)日本語と英語のミックス、ベテラン主婦のミキさんのクラスです。タイ人らしいマイペンライ(気にしない)なおおらかさがチャーミングなミキさんが作るタイの家庭料理は、お店で食べるよりもおいしいと評判です。
タイで人気の朝食のひとつ、お粥。お腹にやさしいからというだけでなく、体を温めてくれるのが、朝食に好まれる理由のひとつです。旅行でタイを訪れる方にはあまり感じられないかもしれませんが、じつはタイ人にとっては、早朝はひんやりと涼しく感じられます。そこで温かいお粥が食べたくなるのです。お粥はおもに屋台で売られている食べ物で、高級料理ではなく、忙しい朝に家庭で作るには時間がかかるので、仕事や学校に出かける前に屋台でさっと食べるという感じ。煮込むのに時間はかかりますが、覚えれば簡単に作れるので、ぜひ休日のお昼に。
■ウェルカムドリンク タイのお茶
■タイ風えびしんじょ揚げ/ทอดมันกุ้ง(トード・マン・クン)と梅風味のディップソース/น้ำจิ้มบ้วย(ナムヂム・ブアイ)
エビのすり身に味付けをして油で揚げたトード・マン・クン。おつまみにも、メインのおかずにもなる一品です。柔らかく、程よく弾力があって、噛みしめるとエビの風味が口いっぱいに広がります。今回はそのトード・マン・クンの美味しさを引き立てる梅風味のソース、ナムヂム・ブアイも一緒に作ります。梅と言えば梅干しや梅酒を思い浮かべて「梅=日本の食材」と思われる方も多いかと思いますが、じつはタイでも梅はポピュラーな食材です。梅が持つ独特な酸っぱさは、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸。これらの酸は筋肉に溜まる乳酸を分解する働きがあって、疲労回復を促進します。また、胃液を分泌させるので、食欲を増進させます。さらに、血流を良くするとも言われていて、冷え性の改善も期待できます。もちろん、味も良くなります。甘酸っぱい梅のソースが、揚げ物にさっぱり感を与えてくれます。このソースは魚のすり身で作るトード・マン・プラーなどにも合います。
■タイ風オムレツ/ไข่ยัดไส้(カイ・ヤッサイ)
私のお気に入りのおかずのひとつ。ヤッサイは「包む」という意味。挽肉と野菜などを炒めた具材をたっぷりと、薄焼きたまごで包んだオムレツです。日本のとは違って、タイではなぜか昔からこれを四角い形に作るのがお約束。でも、この形だから、具をぎっしり包み込めるのです。ごはんがすすむ家庭料理で、お弁当のおかずにもおすすめ。
■肉団子のお粥/โจ๊กหมู(ジョーク・ムー)
タイでお粥と言えば、日本の雑炊に似た米粒の形が残ったスープごはんのカオ・トムと、米の粒がなくなるまでとろとろに煮込んだジョークがあります。今回ご紹介するのは、じっくり煮込んだジョークです。なんだお粥か、と思わないでください。BTSサパーンタクシン駅の近くにあるジョーク・プリンスはバンコクの有名なお粥の専門店で、ここのお粥を食べるためにわざわざ遠くから来る客もいるほど。タイ人にとって、お粥はそれほどのご馳走なのです。寒さの厳しい日本の冬には、体が芯から温まるジョークがぴったり。具は様々ですが、クラスではもっともポピュラーな豚肉の団子を作ります。この肉団子がお粥に深い味わいを与えてくれます。
■ココナッツカスタードプリン/ขนมหม้อแกง(カノム・モー・ケン)
タロ芋とココナッツミルクで作るスイーツです。日本では一般的にプリンと呼ばれていますが、もっとねっとりとした食感で、芋羊羹を柔らかくしてオーブンで焼いたような感じ、と言った方がわかりやすいかもしれません。激甘が多いタイのスイーツの中では甘さが穏やかで、日本人には好きな方が多いようです。寒い日には作り立ての温かいままでも、冷蔵庫で冷やしても、どちらもおいしくいただけます。
■コーヒーか紅茶
<タイの食事の習慣>
タイでは右手にスプーン、左手にフォークを持って食べるのが一般的です。マナーというほど厳格なものではないし、イスラム教で食事に左手を使わないというような宗教的なルールでもありませんが、料理はスプーンで口に運び、フォークはスプーンで料理を切る際に、押さえるために使います。タイ料理店では、皿を挟んで右側にスプーン、左側にフォークが置かれることがありますが、タイ式ではこれは間違いではありません。なお、パッタイなどの麺料理を食べるときには、右手にフォーク持って料理を口に運びます。