小田急線新百合ヶ丘(川崎市)日本語と英語のミックス、ベテラン主婦のミキさんのクラスです。タイ人らしいマイペンライ(気にしない)なおおらかさがチャーミングなミキさんが作るタイの家庭料理は、お店で食べるよりもおいしいと評判です。
タイ料理は「甘くて酸っぱくて辛い」のが基本と言われますが、それだけではありません。今回紹介する豚足煮込みのカームーパローも、豚足を甘じょっぱく煮込んだ料理で、辛味はありません。それでもタイ人はこの料理が大好き。五香粉の香りが食欲をそそるので、厳しい暑さで疲れている時でも美味しくいただけます。このカームーパローと空心菜炒めのパッパッブーンのコンビネーションは、夏に最適なコンビネーションです。空心菜は老化防止に効果の高いβカロテンのほか、汗とともに失われるカリウムやビタミンB1・B2などが豊富で、暑い時期の健康維持と夏バテ対策にぴったり。しっかり食べて、暑さに負けない元気な体を作りましょう。
■ชาขิง CHA KHING
チャー・キン/ジンジャーティー
タイでは古くからチャー・キンをよく飲んでいます。それはしょうがの成分が体をあたためて健康によいと知っているから。また、胃腸の働きを整えるとも言われています。一年中暑いタイでは体にこもった悪い熱を取って涼しくするとともに、体を冷やし過ぎないよう、体温を上げることで暑さに負けない体を作ると考えられています。
■豚肉入りタピオカ団子/サークー サイ ムー(สาคูไส้หมู)
味付けした豚肉にピーナッツを加えたもをタピオカの生地で包んだミートボールです。肉は甘めに味を付けパクチーの根で香りづけしているので、ごはんのおかずというよりも前菜として食べられます。また、タイでは屋台でも売られていて、小腹が空いた時におやつとして食べることもあります。ひと口で食べらるよう小さめに作って、レタスやパクチー、唐辛子とともに口に入れていただきます。ローストしたピーナッツの香ばしさと食感がアクセントになって、食べるのが楽しくなります。
■空心菜炒め/パッ パッブーン(ผัดผักบุ้ง)
アジアの各地で食べられている空心菜炒め。似てはいるものの国ごとに微妙な違いがあり、タイの空心菜はタオチオという調味料を使うのが大きな特徴です。タオチオはタイの味噌とも言われていて、大豆から作られています。味は薄い味噌のようで、豆の粒が残ったソースです。大豆の旨味が深い味わいを生み出します。手早く炒めるだけで、おかずとしても美味しく、お酒のつまみにもなるパッ パッブーンは、空心菜が旬の夏場にはヘビーローテーションしたい一品です。
■豚足のとろとろスパイス煮込み/カー ムー パロー(ขาหมูพะโล้)
辛くはありませんが、じつはタイでもっとも有名で人気のある料理のひとつです。豚足を醤油と五香粉でじっくり煮込みます。その煮汁とともにごはんにのせると、カオカームーという大人気のぶっかけめしになります。タイにはカオカームーの専門店があちこちにあり、店先に置いた巨大な鍋で豚足を煮ています。タイ人では好みのカオカームーを食べるためなら、電車やバスに乗って遠くまで行くのも厭わない、という人もめずらしくありません。それくらい愛されている料理なのです。豚足というと、爪の付いた足がそのままの形で出てきて、手や口の周りをベタベタにしながら酢味噌を付けてかぶりつくというイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、タイのカームーパローは別物です。箸でつまめば肉がホロリとほどけるほど柔らかく煮込みます。ごはんがすすみます。お酒のつまみにもぴったり。そしてスパイスやハーブを加えて煮込むので、くさみもなく、芯まで味が染み込んだコラーゲンたっぷりの肉料理です。そして、タイの女性がカームーパローを好むには、もうひとつ理由があります。それは強い陽射しの紫外線から肌を守るため。肌のコラーゲンは紫外線で破壊されてシワが出来ます。それを防ぐために、タイ人女性は積極的にコラーゲン豊富な豚足を食べています。家庭で作る場合は豚バラでも代用できますので、ぜひ作り方を覚えてください。
■タピオカとメロンのスイーツ/サークー カンタロープ(สาคู แคนตาลูป)
サークーは「タピオカ」、カンタロープは「メロン」のことです。タイでポピュラーなメロンは、カンタロープという品種の赤肉種のマスクメロン。そのため、この品種だけでなく、タイでは「カンタロープ」という名前をメロンの総称のようにも使います。
■ウェルカムドリンク
■コーヒーまたはお茶/กาแฟ หรือ ชา(ガーフェ ルー チャー)
<タイの食事の習慣>
タイでは右手にスプーン、左手にフォークを持って食べるのが一般的です。マナーというほど厳格なものではないし、イスラム教で食事に左手を使わないというような宗教的なルールでもありませんが、料理はスプーンで口に運び、フォークはスプーンで料理を切る際に、押さえるために使います。タイ料理店では、皿を挟んで右側にスプーン、左側にフォークが置かれることがありますが、タイ式ではこれは間違いではありません。なお、パッタイなどの麺料理を食べるときには、右手にフォーク持って料理を口に運びます。