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ストノーギナ・ユーリア(モスクワ大学博士)——文化の架け橋として
ロシア、アスタラハンというヴォルガ川の穏やかな流れに抱かれた街で生まれた私は、幼い頃から異なる文化に強い興味を持っていました。国と国の間に広がる見えない壁——それを理解し、乗り越えることこそが、自分の人生のテーマなのかもしれない。そんな思いが、私をジャーナリズムと異文化コミュニケーションの世界へと導いたのです。
1992年、私はモスクワ国立大学のジャーナリズム学部を卒業し、さらに学びを深めるため大学院へと進み博士となりました。その頃から、日本という国に強く惹かれ、文化やビジネスコミュニケーションの研究に没頭するようになります。2010年、国際交流基金フェローとして初めて日本の地を踏んだとき、私は確信しました——「日本との関係は私の人生の一部になる」と。
その後、日本に移住し、明治大学、同志社大学、神奈川大学で客員講師として教鞭をとりながら、日ロ間のビジネス文化を研究。2014年からはROTOBO(ロシアNIS貿易会)に所属し、日ロ経済交流の促進に携わっています。長年の研究を通じて、日本社会の奥深さ、そしてビジネスコミュニケーションの独特なニュアンスを学び、それを発信することに情熱を注いできました。
これまでに100本以上の記事やレポートを発表し、著書として『日本風のビジネスコミュニケーション』などを執筆。2017年には、この本が「シルバーアーチャー賞」のビジネス書部門にノミネートされました。
しかし、私の関心は学術のみにとどまりません。フィクションの世界にも魅了され、小説『山根先生の二学期』を執筆。また、日本文学の名作をロシア語学習者向けにダイジェスト化した『ロシア語で読む罪と罰』『ロシア語で読むカラマゾフの兄弟』を出版し、文学を通じた文化交流の新しい形を模索してきました。
日本とロシア——歴史的にも複雑な関係を持つ二つの国ですが、互いの文化を理解し、尊重することで新しい可能性が生まれると私は信じています。その橋渡しとなること、それが私の役割であり、これからも変わることのない情熱なのです。
<主な著書、学術論文著作>
1. 『ロシアと日本:21世紀の隣人』、モスクワ、AIRO: 2004。共著。「ポスト・ソビエト時代のロシアと日本の文化的なつながり」の章。
2. 「日本とロシア:労働の理念」。人間と労働、月刊誌、第3号。モスクワ:PANORAMA 出版社、2012。
3. 『日本-2013年鑑』。共著。モスクワ:日本研究者協会、2013。「基礎として日本コミュニケーションにおける儀式のシステム」の章。
4. 『日本社会:変化と不変』、共著。モスクワ:東洋学研究所、ロシア科学アカデミー、2014。「グローカル化:ポスト工業時代の武士道」の章。
5. 「国の社会文化的現象として、日本でのビジネスコミュニケーション」。単著。モスクワ:MGIMO大学出版社、2015。
6. 「日本風のビジネスコミュニケーション」。単著。モスクワ:VKN出版社、2017。この本は、2017年のベストビジネス書として「シルバーアーチャー賞」にノミネートされた。
フィクション文学
「山根先生の二学期」。小説、2013。「人民友好」のロシア文学雑誌での出版。
「ロシア語で読む罪と罰」、ダイジェスト版。東京:IBC Publishing。2014.11.
「ロシア語で読むカラマゾフの兄弟」、ダイジェスト版。東京:IBC Publishing。2016.01.
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