高田馬場　英語でのクラスです。

寒い冬、家族や友人と囲む温かな食卓が恋しくありませんか？そんなあなたに、フランス北部リールで代々受け継がれてきた郷土料理をお届けします。このレシピは、曾祖父母から私に伝わった大切な宝物。北フランスの豊かな食材と歴史を感じる味わいが、きっとあなたの食卓にも幸せを運んでくれるはずです。

このメニューの魅力は、なんといってもシンプルさと深い味わい。どれも手に入りやすい材料で、少しの工夫で本格的なフランス料理が楽しめます。さあ、作ってみませんか？

Apéritif Français : スパークリングワイン (Vin pétillant)
2月の冷たい風が窓辺をかすめる中、薄曇りの空から差し込む柔らかな光がグラスの中の揺れる泡を優しく照らします。「この一杯で、少し春が近づいた気がするね」とピエールが微笑みます。まだ肌寒いキッチンで始まる夕食には、今日もこのワインが欠かせません。酸味と甘味が絶妙に調和した味わいが、テーブルに穏やかで温かなひとときをもたらします。

●前菜：Gratin de Chicon au Jambon - チコリーのグラタン
チコリー、苦味が生む、豊かな味わい。フランス北部の台所に欠かせない食材のひとつがチコリー（エンダイブ）です。この葉野菜は、特有のほろ苦さが特徴。実はこの苦味、寒い気候で育てられることでより引き立つのです。寒さを受けたチコリーは、柔らかくなりつつもその苦味が程よく残り、濃厚なソースやチーズと組み合わせると絶妙なハーモニーを奏でます。北フランスでは、この料理は冬の定番。冷えた身体を温めるだけでなく、家族で囲む食卓をより温かな雰囲気にしてくれます。興味深いのは、昔の人々はチコリーを家庭菜園で育て、その根をコーヒーの代用品としても使っていたこと。この一皿は、そんなチコリーの多用途な魅力を感じることができる料理です。

●メイン：Poulet à la bière - 北フランスのビア・チキン
ビールは炭鉱の街のエネルギー源。北フランスを語る上で欠かせないのがビール。リールを含むこの地方は、ベルギーとの国境に近く、ビール文化が根付いています。特にこの地方のビールは、甘みとコクがあり、料理に使うと素材を一層引き立ててくれます。炭鉱の街として発展したこの地域では、働く人々がエネルギー補給のためにビールを日常的に飲んでいました。

Poulet à la bière（ビール煮込みチキン）は、そんなビール文化から生まれた料理のひとつです。チキンの旨味を引き出す黄金色のビールソースには、玉ねぎやハーブの風味が溶け込み、深い味わいに仕上がります。この料理の面白い点は、どんなビールを使うかで味が変わるところ。地元では、家庭ごとに「秘伝のビール」があるとも言われています。

●デザート：Tarte au sucre brun - ブラウンシュガータルト
ブラウンシュガーは素朴でありながら贅沢な甘さ。フランス北部では、砂糖の製造が長い歴史を持っています。特にブラウンシュガーはこの地域特有のもの。精製度が低く、ミネラルを多く含むブラウンシュガーは、普通の砂糖よりも奥深い甘さが特徴です。このタルトでは、その自然な甘さが最大限に引き出されています。

このデザートが北フランスで愛される理由のひとつに、その「簡単さ」があります。材料はシンプルで、作り方も手軽。それでいて、焼き上がりのキャラメルのような香りと、サクサクの生地、そしてとろけるような甘さが楽しめる贅沢な一品です。寒い冬、家族で囲むお茶の時間にこのタルトがあれば、それだけで幸せな気分になること間違いなしです。

●食事中のお飲み物
厳選されたワインをお料理とともにお楽しみください。

Mineral water
●ミネラルウォーター