ヨーロッパ中世の世界へ、少しだけ時間旅行してみませんか？

イギリスでは「中世の歴史を学んで、当時の料理を体験しよう」というイベントが各地で開催され、ひそかな人気を集めています。日本ではあまり馴染みのない中世ヨーロッパの食卓。貴族はどんなお肉を食べていたのか、一般の人たちはどうやって食材を手に入れていたのか……。そんな「昔の生活の断片」を、今回のメニューで再現してみたいと思います。(中世時代、当時の食卓のイメージ写真）

さて今回のお料理のスタイルは、中世らしく“バンケット”（全てのお料理をテーブルに並べて、一度にわいわい楽しむ）方式。

現代のコース料理とはちょっと違う、自由でにぎやかな雰囲気を味わってください。

中世ヨーロッパでは、地域や階級で食べられるものが大きく変わりました。狩りができる貴族は新鮮なお肉にありつけましたが、一般市民にはそうそう手が出ない貴重品。鶏肉も卵を生むほうが大切だったので、食べるのは特別な日のごちそうでした。野菜はスープや煮込みにして食べるのがほとんど。生野菜のサラダなんて、当時の人には想像もできなかったかもしれません。

牛乳は保存できないので、チーズやバターにして長持ちさせる。塩漬けのお魚や干物はちょっとしょっぱいかもしれないけれど、それも当時の人々の知恵の結晶です。そんな中世の人たちの「工夫のあと」を、今回のメニューからほんの少し感じ取っていただけたら嬉しいです。

～今回のメニュー～写真は実物です。

1. Poached Salmon with White Wine Herbs（白ワインとハーブでゆで煮にしたサーモン）
   白ワインの香りとハーブがサーモンにしみ込む、とても上品なお料理です。当時、鮭は川や海の地域でとれる大切なたんぱく源。貴族も一般の人も、保存食として塩漬けや干物にしたものを味わいましたが、今回はフレッシュな味わいを楽しみましょう。

1. Medieval Pork Marinade（中世時代のポークマリネ）
   狩りの盛んな貴族が頻繁に食べていた肉料理をイメージして、豚肉を中世風のハーブやスパイスでマリネします。当時ならではの酸味や甘みの組み合わせが新鮮です。
   

2. SAMBOCADE — Medieval Elderflower Cream Cheese Tart（サンボケード／エルダーフラワー入りクリームチーズタルト）
   「エルダーフラワー」の香りをクリームチーズにプラスした、中世からのレシピを参考にしたタルト。ハーブや花の香りは、中世では保存や風味づけに重宝されていました。優しい甘さとさわやかな香りをお楽しみください。
   

3. Lemon Syllabub（レモン・シラバブ）
   レモン果汁とクリームを使った、当時のデザートドリンク。牛乳やクリームは腐りやすいからこそ、こうして甘いお酒や酸味とあわせて工夫しながら楽しんでいました。
   

4. HONEYED CHICKEN（ハニーチキン）
   鶏肉も今ほど一般的じゃなかった中世には、貴族のおごちそう一品。はちみつとスパイスで甘じょっぱく仕上げるのがポイントです。
   

5. 他

＜飲み物＞

• アルコール：ビール、ミード（はちみつ酒）
  当時の人々もビールやエール、はちみつ酒を楽しんでいたようです。
• ノンアルコール：お酒が苦手な方には、ミード風のノンアルコール飲料やソフトドリンクをご用意しています。
  
  
  

味の組み合わせや保存のしかたに「今と違う工夫」が感じられるのが、中世料理のおもしろいところ。ぜひ、 banquest（バンケット）スタイルで並んだお料理を眺めながら、「当時の人たちもこうやって盛り上がったのかなぁ」と想像してみてください。

ちょっとだけ中世に戻った気分で、みんなでワイワイと楽しみましょう