●ピョゴタンス
韓国で “糖水肉（タンスユク）” と呼ばれるこの料理は、日本の酢豚より酸味を抑えた甘辛仕立てが特徴で、彩り豊かな野菜がたっぷり入ります。今回は肉の代わりに、韓国語で “ピョゴ” と呼ばれる肉厚シイタケをカラリと揚げ、表面はサクッと、中はジューシーに。そこへコク深い甘酸っぱいソースを惜しみなく絡めれば、肉好きも唸る “ベジ版タンスユク” の完成です。仏教の精進料理にルーツをもち、近年のビーガンブームで再び脚光を浴びるヘルシーな一皿は、夏の韓国グルメを語るうえで欠かせない存在と言えるでしょう。

●トマトプルコギ
ケチャップとコチュジャンの相性がとても良いのをご存知ですか？今回は生のトマトを潰してタレに入れてプルコギソースを作ります。辛いのがお好きな方にはもっと辛く作る方法と、辛いが苦手な方にはマイルドな感じで作る方法の２種類を紹介します。　
トマトの旨みを味方に、辛党も辛味ビギナーも満足できる一皿へと仕上げます。夏バテ気味でもお箸が進みます。

●バンチャン　切り干し大根チャンアチ
韓国料理店でテーブルを彩る数々のパンチャン（小皿料理）の中でも、ひときわ存在感を放つのが 「切り干し大根のチャンアチ（醤油漬け）」。日本の切り干し大根よりも太めに干された大根は、歯ざわりがコリッと力強く、噛むほどに大根の自然な甘みがにじみ出ます。甘辛い醤油ダレで漬け込めば箸が止まらないさっぱり味に。ご飯のお供はもちろん、細かく刻んで混ぜご飯にしたり、炒め物の仕上げに加えて旨味をあたえたりと使い勝手抜群。韓国の家庭では“大根一本を余さず楽しむ知恵”として親しまれる保存食です。

●コルベンイ（つぶ貝）和え物
ソウルの下町ムードが色濃く残る乙支路（ウルチロ）には、軒を連ねる小さな食堂から甘酸っぱく香ばしい湯気が立ちのぼる “コルベンイ通り” があり、そこで供される名物が「 コルベンイ・ムチム（つぶ貝の和え物）」 です。コリコリ食感のつぶ貝にキュウリやタマネギ、ニラなどのシャキッとした野菜を合わせ　“ピリ辛×酸味×ほの甘さ”のヤンニョムをたっぷり絡めたら、茹でた素麺の上に豪快に盛りつけて完成。缶詰のつぶ貝を使えば下ごしらえも不要で、暑い季節に冷たいビールと一緒にかき込みたくなる韓国定番のおつまみです。



●コグマケーキ
韓国で“秋のご褒美スイーツ”として親しまれる コグマケーキ（さつま芋ケーキ）。ホクホク甘いコグマペーストをスポンジにたっぷり挟み、表面にも雲のようにナッペして仕上げる、素朴なのに胸がときめく一品です。今回のレシピは、バターやハチミツで軽やかにまとめるので、思い立ったらオーブン１枚で焼き上げて 30 分後にはデコレーションへ──ふんわりスポンジと、しっとり甘いさつま芋クリームの二層が織りなす“やさしい紫金色”に心がほどけます。小ぶりサイズの丸形に抜けば、ホームパーティーのウェルカムスイーツにも映え、ひと口ごとに韓国の秋の味覚が広がります。

●ビール