一年の計は春にあり。立春は、中国の人々にとって『人生を深く考える特別な日』です。この1年の計画を考えたりします。また家族が集まり春餅、大根、春巻きを食べる習慣があります。春餅に辛味のある大根を包むのにも意味があります。中国では、立春の時期に辛味のある食べ物を摂る習慣は、伝統的な中国医学の理論に基づいています。この習慣は、「陽の気を守る」という考えに基づいています。つまり、体内の陽のエネルギーを強化し、春の季節の変化に適応するためです。伝統的な中国医学では、人間の体は「陰」と「陽」のエネルギーのバランスによって健康が保たれると考えられてきました。立春は、寒い冬から暖かな春への移行期であり、この時期に体内の陽の気が不足しがちです。辛味のある食べ物は、陽の気を高めるとされ、体を温め、エネルギーを活性化させる意味合いがあるといわれています。ところでニキズキッチンでは中国系の先生たちがほぼ全員春餅のレッスンを行っています。中に包むものは家庭によって千差万別。その先生のルーツや好みを知るとても特別な機会でもあったりします。ジョアンさんが包みこむ春の1日。楽しみにしててくださいね。

⚫︎春餅（シュンピン）
〜薄い餅皮。プレーンとお野菜の2種類
生の春巻きの皮のシルクのような食感が特徴です。たくさんのおかずを包み込む特別な皮です。透き通って薄くて柔らかいです。

⚫︎春盤（シュンバン）
〜春餅に包むお野菜
万物が蘇る立春に食べる春野菜は格別。しゃくしゃくと食べながら豊作を祈い春をかみ締めましょう。
野菜を薄い春餅で包んで一緒に食べると、とても美味しいんです。

⚫︎ 京醬肉絲（キョウジャンロース）
〜北京の有名な甘辛い細切豚肉料理

これを調理法「六爆発」のひとつ「醬爆（ソース爆発）」で調理をします。
「爆発」とは中国語で「爆炒（バオチャオ）」と言い、食材を高温の油で短時間強火で炒める調理方法を指します。この方法によって、食材は外側はカリカリに、中はジューシーに仕上がります。六爆発は、この爆炒のバリエーションであり、異なる食材や調味料を使って様々な風味を引き出すことが特徴です。

例えば6つのうちの蒜爆ではニンニクの香りが際立ち、辣椒爆では唐辛子のピリッとした辛さがメインになります。今回は『ソース爆発』を行います。

⚫︎小酥肉（ショースーニク）
〜豚肉の衣揚げ
酥（スー）はサクサクという意味を持つ中国語です。酥肉は故郷を離れた人々の足跡と共に、中国のあちこちで流行しています。
例えば私たちは、こんな風景を心に持っています。
『子供たちが鍋の周りをぐるぐると回り母が揚げるとこっそりつまみ食い。出来立ての酥肉は熱々で、香ばしく、パリパリしていて、一口噛むと「カリッ」という音が聞こえ、肉の香りが口いっぱいに広がります。』

揚げたての酥肉は、普通はそのまま食卓に出されます。余った酥肉は他の野菜と一緒にスープを作ったり、キノコ、筍、木耳（キクラゲ）などと煮込んだりします。酥肉を使って麺やご飯を作ることもよくありますよ。トマト、小さい油菜（ユウサイ）、キャベツなどの野菜と合わせると、とても美味しいんですよ。

⚫︎ 酸辣土豆丝（サンラートゥドゥーシー）
〜千切りじゃが芋炒め
細切りにしたジャガイモを揚げた中華料理です。
見た目は非常にシンプルで生徒さんの中には『そのお料理習ったことがある。』と思う方もいらっしゃるかもしれませんがまた別物です。味は非常に濃厚で、中にはたくさんの風味が詰まっている！
酸味と辛味、スモーキーそして花椒の香りも！

⚫︎ 赛螃蟹（サイパンシェ）
〜卵と魚で作る蟹もどき
卵黄と卵白の美しいコントラストが特徴の伝統的な中国料理です。もともとは清朝の宮廷料理で、現在は上海で人気の一品です。この料理は、海から遠い北京で新鮮な蟹が手に入らなかった西太后のために考案されました。宮廷の料理人たちは白身魚と卵の白身を使いまるで蟹のような料理を創り出しました。この料理は「蟹に匹敵する」という意味の名前が付けられ、美味しさと創意工夫の象徴とされています。

⚫︎ 青麻椒杏鲍菇拌鸡丝（チンマージャオシンパオグバンジースー）
〜アワビもどき/エリンギタケと鶏肉の青い花椒ソース和え
この料理は、青い花椒（シビレを引き起こす特有のスパイス）をアクセントにしながら、エリンギを鮑（あわび）に見立てコリコリした食感を出していきます。ここで重要なのが鶏肉と合わせることです。エリンギの食感が際立ちます。また我が家のホームパーティーでよく出すのですが皆さんに必ずといっていいほどレシピを教えて欲しいと頼まれます。満を期しての登場です。

●ウェルカムドリンク

中国茶など