●アンチョビ入りトマトサラダ　～　エンサラダ　トマテス・コン・アンチョアス
日常的にもよく作りますが聖週間（セマナ・サンタ）によく食卓に上る魚のサラダです。
アンチョビは地中海沿岸部で古くから重要な食材であり、スペインでは特にカンタブリア海沿岸でのアンチョビ漁が有名です。
アンチョビと、太陽をたっぷりと浴びて育ったトマトの組み合わせは、スペインの伝統的な素材の組み合わせを象徴しています。写真は参考です

●鶏肉のビール煮込み　～　ポジョ・ア・ラ・セルベッサ
聖週間が明けた後、多くの家庭では肉料理を楽しみます。
スペインのビールの歴史は古く、中世には既に存在していた記録がありますが、生産と消費は他のヨーロッパの他の国々に比べて多くはありませんでした。
しかし20世紀後半から21世紀初頭にかけては、クラフトビールやマイクロブルワリーの流行とともに、多様なスタイルのビールが生産されるようになりました。同時にビール煮も流行り始めました。アルコールは全部煮込んでいる間に飛んでしまいますので、お酒が飲めない方も楽しめます。
オリーブオイルも使うからか、かなり美味しく仕上がります。肉の達人ホセさんの大好きなメニューです。

●春鯛のブランデーソース　～　ベスーゴ　アラ　ブランデー
スペインではキリストがゴルゴダの丘で十字架にかけられてなくなった後の２日間は完全な喪に服し、敬虔なカトリック教徒の家族なら２日間に限らず聖週間（セマナ・サンタ）の間、1週間にまたがって肉食やアルコールを飲むことを避けます。その時に食べるのが魚料理です。１週間魚料理が続くので、本当にたくさんの魚料理が作られます。
聖週間の時期、スペインでは、特に内陸部では塩漬けのタラを使ったものを、沿岸部では鯛などの新鮮な魚料理が食卓に上ります。美味しい鯛を食べたいなら、5月の産卵にむけて栄養を蓄える春がおすすめです。
この時期アルコールは飲みませんが、ブランデーなどのアルコールをお料理に使うことはあります。ブランデーは主にアンダルシア地方で生産されています。
繊細なブランデーの香りと鯛のの柔らかな肉質の組み合わせは、スペインならではの味わいです。

●パネテス・デ・ハエン
アルバセテ、ハエン、セグラ地方の村々の典型的な聖週間（セマナ・サンタ）のお菓子「パネテス・デ・ハエン」を作ります。
パネテスは、地方によってはパネシージョと呼ばれる、四旬節と復活祭の伝統的レシピです。乾いたパンを最大限に活用する古くからあるお菓子です。
この地域に住んでいて、パネテスをよく知っている人は、パティスリーやパン屋にはなく、レストランのデザートメニューにもないことを知っています。パネテスは家庭で作られるものであり、秘伝の味なのです。
作り方もとても面白く、スペインのお菓子の面白さを体感していただけると思います。

●パンとワインとコーヒー