ギリシャの最大の宗教イベント、パスハ（復活祭、イースター）の前に、40日間肉を断つ習慣があります。その前の祭日、「チクノペンプティ」では、ギリシャ全土が肉を食べてお祭りのように盛り上がります。

「チクノペンプティ」は、肉が焼ける際に生じる煙や焦げた香りを意味するギリシャ語の「チクナ」と、木曜日を表す「ペンプティ」を組み合わせた言葉です。

この日、ギリシャ全土がバーベキューの香りに包まれることから、その名がつけられました。

40日が経過した後は、「パシャ」と呼ばれるイースターが開かれます。この日は焼いた羊の肉が国中から漂います。なぜなら、イースターの日は待ちにまった断食明けだからです。

ギリシャ正教の断食はイスラムのものと違い、食べてはいけないものが制限されるだけで、完全な断食ではありません。金曜日は火を使った料理がダメで、オリーブオイルやワインも制限される日もあります。

● Shepherds tea
ギリシャの山のお茶
母がギリシャから送ってきてくれました。ギリシャでは風邪をひいた時に熱いお茶を飲みますが、もともとお茶を飲むというカルチャーがありません。しかし、唯一の例外が山のお茶です。チャイ・トゥ・ヴヌーと呼ばれギリシャでは紀元前から飲まれています。このお茶は野生で育っているものがみつかることはありますが、ギリシャの山でだけ生産されています。また羊飼いの人達が愛飲していたことから「シェパードティー（羊飼いのお茶）」と呼ばれることも。ローズマリーに似た柔らかな香りのハーブティです。飲むとリラックスをしますよ。

⚫バーベキュー

４０日を経て肉絶ちが解禁される日、それはそれは肉の焼けるにおいが恋しいもの。
味付けにさ様々なクフを凝らした感動の羊が登場します。ギリシャ流のＢＢＱを是非お見逃しなく。

クリスの友達たちが「あまりの美味しさにびっくりした」」ギリシャ流の食べさせ方のうまさを是非お見逃しなく。

今回焼くお肉
１）豚スブラキ
２）子羊のスブラキ
３）チキンのスブラキ
４）ラムチョップ

ギリシャでもレストランで焼いてきたこだわりと研究熱心なクリスさんがスパイスを巧みに使うギリシャならではのバーベキューをお教えします。肉は四種類。

串焼き炭火のバーベキュー。豚肉、子羊、鶏肉の三種類。それぞれの肉にあった柑橘、オレンジ、オリーブオイル、ガーリック、スーマック、オレガノ、スパイス、ハーブをブレンド。チャコールの香りで空気を満たします。

⚫ラムチョップ

２０２３年のデータによるとギリシャではイースターに６００，０００匹もの羊が食べられたそうです。通常週末を過ごす別荘などでラムを丸ごと１匹串に刺してローストしますが、それが難しい場合は切り分けたラムチョップグやリブなどを使います。
ギリシャの大地を思わせる力強い味わい。焼き上がる肉のジューシーな香りと共に、ツレーキや村のパンの焼ける甘い香りが交じり合い、食欲をそそります

⚫新鮮なヨーグルトとミントのソース。
ギリシャならでは。焼きたての肉の味わいを引き立てながら、さっぱりとした余韻を残します。

⚫村のパン
基本的な材料のみを使って作る日々食べるパンです。一緒に食べる肉の味を引き出します。
古代エジプトからパン作りが伝わり、発酵して作るパンが飛躍的に発展したのは、ギリシャといわれています。

⚫ギリシャ風クスクス
モロッコでは豊富なスパイスが香るラム等と一緒に食べることが多いクスクスですが、ギリシャでは黒オリーブテイストのさっぱりした味わいになります。

⚫ツレーキ
ギリシャの伝統的な甘くて柑橘系の香りが特徴のお菓子パンです。イースターを祝って、赤く染めたゆで卵がパンに織り込まれており、この赤い色はキリスト教の血を象徴しています。

＜写真はイメージです＞