料理映画:ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE 




◆映画:
ローカル路線バス
乗り継ぎの旅 THE MOVIE



料理映画リンク集


 


 

<映画紹介>
次々に登場する美味しそうな台湾料理に
胃袋をがっちり掴まれるバス旅ドキュメンタリー

ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE
新宿ピカデリー、ユナイテッド・シネマ豊洲ほか、全国で公開中
http://www.rosenbus-movie.com/index.html

text/キヌガサマサヨシ(夏休み計画)



最近、知り合いで台湾に行く人が多くて気になっていたら、こんな映画が公開されました。台湾をバスでめぐるドキュメンタリーなロードムービー『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE』。テレビ東京が不定期で放映している旅番組を映画化したものでテレビではこれまでは国内を旅していたようですが今回は特別に海外に出てみたとうことらしいです。



この映画も、基本的にはテレビ番組と同じように構成されていて、メインの出演者として太川陽介と蛭子能収がいて、さらに毎回女性ゲストを1名加えた3人で旅をします。今回のゲストは三船美佳。主旨としては3泊4日というタイムリミットを設けて、設定されたスタート地点からバスを乗り継いでゴールを目指すというものです。




今回の旅は、島の北端に近い台北からスタートして、最南端の鵝鑾鼻(がらんび)という岬まで。ご存知のように、台湾の本島は細長い島です。南北を直線で結ぶと約394km。東京から神戸くらいみたいです。そんな距離を庶民の足である路線バスでちびちび移動する旅は、台湾のようにほどほどにのんびりしていて、ほどほどに賑わっていて、ほどほどにゆるい国にはぴったりなように思います。



ロケが行われたのは昨年の9月末だったようで、4日間という短い期間であるのに運悪くドンピシャで台風21号が台湾に上陸し、路線バスも全路線が運休になります。台風が近づく大雨の中で乗ったバスは、ばしゃばしゃと雨漏りして車内で傘をさす有り様。テレビ的にはじつに「おいしい」状況なのでしょうが、そうした奇跡的で絶好な困難は別として、映画を観る側としては3人が食べる朝昼晩の食事に大いに興味がそそられます。



とはいえ、そんな食事も事前にリサーチした人気店や穴場の店に訪れるということではなく、乗り継ぎの都合に合わせて行き当たりばったりで目についた店に飛び込むというスタイル。なので、情報としてはかなり物足りないのですが、それでも毎回台湾らしい料理を食べているところをみると、台湾の食文化の懐の深さが推し量れます。




ふらりと入った店でも安くて美味しものが食べられるというのは、食いしん坊にとっては大きなポイントですよね。ニキズキッチンで世界の料理を学ぶみなさんにとっては、どんなに景色の美しい所であっても美味しい料理やめずらしい食べ物がなければがっかりなはず。そういう意味では、台湾はぜひとも行くべきところだと言えそうです。B級・C級グルメであれば、どこで何を食べてもハズレなしというのは大変魅力的。だから、ぐだぐだな路線バスの旅でも、充分に楽しめそうな気がします。


食事が目的の旅ではないから仕方ないのですが、残念ながら料理については「おいしいねー」という程度のペラペラなコメントだけ。どんな味だとか、どういう素材を使ってどのように調理しているのかといった詳細には一切触れていません。正直言って、料理重視で観ていると少々悶々とします。が、それでも「食べてみたい」という気持ちは充分に掻き立てられます。仕込みではなく行き当たりばったりで食べているからこそ、リアルな台湾の姿を垣間見ている気分になれるからでしょう。




ちなみに、一般的に台湾料理と言われる料理は、中国の福建料理に影響を受けたものが多く、それをベースに台湾の豊富な海の幸と山の幸を取り入れて発展したものだとか。台湾は南北に長く、北部は亜熱帯、南部は熱帯に属していまが、島の中央部には3,000m級の高い山がある山脈が縦走していて、高地では冬には雪がちらつくこともあるそうです。そんな多彩な紀行が、日本の10分の1ほどの面積の島に詰め込まれているので、様々な食材が手に入ります。ということは、地域ごとに特色のある郷土料理があるということ。台湾料理は大げさなご馳走よりも庶民的な家庭料理が本命なので、旅行者ではなかなか出会えないのかもしれないですが、捜し歩けば奥深い料理を食べることが出来るはずです。


牛肉麺、担仔麺、麵線、ルーロウファン、チーロウファン、カラスミ、ちまき、おこわ、シジミの醤油漬け、ハマグリ入りのスープ、台湾風おでんのルーウェイ、豆花、練乳を混ぜた氷で作るかき氷のバオビン…。日本で食べられる料理の種類は多くはないし、知っているのはほんの一部の料理だけど、この映画を観ていると、とにかく台湾に行ってみなければという気持ちにさせられます。台湾に行ったことのある人も、次々にスクリーンに映し出される台湾フードを見れば、その味を思い出して胃袋が「台湾行かなきゃ」と叫ぶことでしょう。




ちなみに、この映画は収益の一部を、先日の地震被害の義援金として寄付するそうです。倒壊した共同住宅は大きな被害となりましたが、それ以外の地域においては旅行者を受け入れる状況にあるようです。旅行で訪れるのも支援のひとつ。台湾までは東京からは4時間ほどのフライトです。時差も1時間。気軽に1泊2日の週末旅行でも楽しめます。おいしい料理を食べ歩いて、台湾を応援しましょう。そしてその予習として、ぜひ『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE』もご覧くださいー。

 

構成:釜澤安季子
演出:鹿島健城
制作:テレビ東京 2015年 119分
配給:アスミック・エース 
(c)2015「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE」製作委員会

 


 
 




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